小国杉の家
2021.07
住む人の手によって変化する住まい(福岡県)
最もユニークな特徴は、「不自然」さ。この家には床が存在しないのです。また、お施主様の強いこだわりが玄関の庇(ひさし)にも反映されています。通常、玄関庇は木材やアルミで作られることが多いですが、ここでは鉄板を使用し、リンサン塗装で仕上げられています。錆びにくい特性を持ち、普段では納期が長く、加工が特殊で高価なため選ばれることの少ない工法です。しかし、お施主様の「うすっぺらい庇にしたい」という要望を実現するために選ばれました。
内部の壁は合板で作られており、玄関の隣にある段々の木はお施主様自らが施工されたものです。2階のロフトに至っては、住み始めた後にお施主様が壁を白く塗り変え、勉強部屋としての使用を考慮し明るく仕上げられました。このように、時間と共に変化し、住む人の手によって作り上げられていくことが、この家の魅力の一つとなっています。